ジユウメモメモ

当サイトは通販サイト・外部Webサービスへのリンクの一部にアフィリエイト広告を使用しています
「アウトレイジ ビヨンド」

乾いた砂漠のような映画。「アウトレイジ ビヨンド」

じっと湿度の高い「アウトレイジ」、涼しく乾いた「ビヨンド」。

 レイトショーで「アウトレイジ ビヨンド」を見てきた。今年楽しみにしていた映画の一本だ。

「アウトレイジ ビヨンド」

 北野武監督作品は、後からジワジワ余韻がやってくることが多いので、後から「どうだった?」と聞かれたら違うことを言っているかもしれないけれど。

 エンドロールが終わった瞬間、”面白い”とか”つまらない”とかじゃなくて、”何も感じなかった”。ネガティブな意味ではなく。

前作「アウトレイジ」よりも死体の数は多いけどドライ。例え前作と同じ量の流血があっても(今作は前作に比べてバイオレンスシーンはマイルドだし、観客に直視させない。)潤うことのない、砂漠のようなからっからに乾いた映画。

「アウトレイジ」が怖いもの見たさのバイオレンスシーンの連続にジェットコースターに乗った後のような(悪くない)疲労感が残ったのに対して「ビヨンド」は何も残らない。「もういい」と言いながら自身に対して、観客に対してケジメを付けて、観客の、物語を見た記憶をきれいに回収していったような妙な感覚(サウンドトラックもわかりやすく記憶にのこる曲ではない)。じっと湿度の高い「アウトレイジ」、涼しく乾いた「ビヨンド」。初見の感想はそんな感じ。怒声が覆いかぶさって熱いはずなのに、乾いてる。好きな映画だ。