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ギラギラしていた昭和の映画。「仁義なき戦い」-「新・仁義なき戦い 組長最後の日」

いま観てもハマれる「アウトレイジ」の原点

 最近になって「仁義なき戦い」をレンタルで観たら、コレが面白くて、もっともっとと5部作と「新・仁義なき戦い」3作を一気見してしまった。「アウトレイジ」の原点は、泥臭く、口汚いが、魅力的。シリーズを通して出し抜き出し抜かれの世界が繰り返して描かれる。そこには極道の世界に身を置かずとも、しがらみに縛られる者、合理的であることを良しとする者、社会人なら共感できるキャラクターが一人二人はいるものだ。

実話を元に作られた「仁義なき戦い」ギラギラした魅力的なキャストたち

 戦後の広島を舞台に実在の人物、史実をもとに描かれた「仁義なき戦い」はとにかく主役の菅原文太がカッコいい。若いころの菅原文太は渡部篤郎に似てる。ここぞというときに頼りになる梅宮辰夫、そして松方弘樹も渋くてカッコいい。二人とも釣り好きの人のイメージが強くて出演している映画を観たことはなかったのだけれど、大御所と言われる理由がわかった。とにかくみんな若く、濃く、人間味に溢れていて、ギラギラしていてカッコいい。

「最後じゃけん 言うとったるがの
狙われるもんより狙うもんの方が強いんじゃ
そがな考えしとると隙ができるど」

「仁義なき戦い」

 「仁義なき戦い」を観た後に二作目の「広島死闘篇」を観ると、大ヒットした一作目の主人公である広能(菅原文太)が脇役に回るのが面白い(まるで「メタルギアソリッド2」のスネークと雷電みたいだ)。そしてシリーズを通して、死んだキャラクターを演じていた俳優が別キャラクターの役で何度も現れるのも自由で凄いなと思う(笑)。松方弘樹は「完結篇」までに3役を演じてリブート作となる「新・仁義なき戦い」でも別キャラクターとして登場して、いずれの役でも強烈な印象を残して去っていく。

 昔の魅力的な俳優をたくさん知ることができるのも楽しいシリーズで、広能と同じくらい好きなキャラクターの松永を演じる成田三樹夫が渋くてカッコいい。冷静なまとめ役がハマってる(そして成田三樹夫もシリーズを重ねるごとに何度も登場してどんどん悪いキャラクターになっていく)。「新・仁義なき戦い 組長の首」の若い山崎努はノーマン・リーダスそっくり!「仁義なき戦い」を見なければ知ることもなかったり、若いころの顔を観ることもなかったかもしれない俳優がたくさんいる。

”実話もの”の縛りから解かれた「新・仁義なき戦い」シリーズ より活き活きと暴れる菅原文太

 「仁義なき戦い」5部作では、メインストリームのいざこざからは距離を置き、冷めた目で極道の世界を見ていた広能が、かわいがっていた子分の死をきっかけに、上に反抗心を剥き出しにし始め(3作目「代理戦争」)、世代交代の流れに抵抗するも、殺された若い子分の顔を見て、顔も名前もろくに知らなかったことに気付いて引退を決意する(5作目「完結篇」)までが描かれる。群像劇でありながら、5作にわたって一人の人間の感情の変化が描かれるのだから見応えがないわけがない。ヤクザ映画では「兄弟分」とか「盃」とか複雑な相関関係があって、組織も登場人物も多く出てきて、始めは「ストーリーを把握できるのだろうか・・・?」と不安になるのだけど、どの作品も途中まで見れば何が起きているのかちゃんとわかるように出来ている。

 「完結篇」の後に作られた「新・仁義なき戦い」は「仁義なき戦い」のリブートであり前半部分をダイジェストにして描き直した作品。しかし前シリーズが実話を元にした作品であるのに対して、「新」シリーズはフィクションとして作られる(オープニングに断りの字幕が入る)。”実話もの”の制約に縛られること無く、作り手が描きたい、本当に見せたい物語が描かれ、3作とも舞台も登場人物も異なる、一話完結の作品となる。主人公は3作とも菅原文太が演じていて、どの菅原文太も広能より強欲で執念深いキャラクターとして描かれ、まるで頂点を獲らんとする広能のループの物語のように見えるのが面白い。特に「新・仁義なき戦い 組長の首」のエンディングで主人公の黒田がカメラ目線になるのにはニヤリとさせられる。

日本語の“仁義”って言葉は、英語には適した訳語がない。で、深作さんに聞いたら、こう答えてくれた。
『仁義とは、やらなきゃならないことだ。たとえもしこの世でいちばんしたくないと思っていることだとしてもな』。

映画.com:インタビュー 「ジャンゴ 繋がれざる物」
クエンティン・タランティーノ監督を突き動かす故深作欣二監督の言葉

 これまで「バトル・ロワイアル」しか深作欣二監督の作品は観たことが無かったけれど、偉大な映画監督なのだということがよく分かった。「その男、凶暴につき」が深作監督作品だったらどんな映画になっていたのだろう。繰り返して観たくなる、発見の多いシリーズだ。

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