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極限状況下の正しい選択とは。「4デイズ」

核爆弾の爆発まで後4日。テロを阻止するための手段は犯人を拷問する他にあるのか・・・。

 「4デイズ」を観た。サミュエル・L・ジャクソンとキャリー=アン・モス共演のスリラー。

ストーリー

 9.11後のアメリカのある火曜日。テロリストとの繋がりのありそうな人物の捜査を行う、FBI対策班のヘレン達のオフィスのテレビに速報が入る。全てのテレビ局がスティーブン・ヤンガーという人物の情報提供を呼びかけた。

上司から呼び出されたヘレンのチームは、政府から、軍の管理下に置かれた学校で将軍の指揮の元、”H”と呼ばれる謎の人物とともに既に囚われていたヤンガーを尋問するよう命じられる。ヤンガーは元特殊部隊員で、核爆弾をアメリカ国内の3つの都市に隠し、4日後に爆破するというビデオを政府に送っていたのだ。爆弾のありかを吐かないヤンガー。Hによる恐ろしい拷問が始まった・・・。

起こりうる”もしも”の話。拷問を肯定するしかないのか。

 学校の体育館を舞台にほぼ密室、低予算で作られた映画だけど全く飽きる部分が無い(90分ちょっとという時間の短さも緊迫感があっていい)。Hを演じるサミュエル・L・ジャクソンの迫力とヤンガーを演じるマイケル・シーンの信念の強さ。核テロの脅威が現実となりつつある極限の状態。死ぬ覚悟ができている犯人に対して打てる手は拷問以外にあるのだろうか。要求を飲めばテロリストの暴力に屈する前例となる。対話で計画を止めさせることも無理だろう。そんなとき”汚れ仕事”のプロがそこにいて、彼を止めることはできるだろうか。

最初はHの拷問を憲法違反だと避難し、抵抗していたヘレンも3日目になると、Hに対して「やるべきことをして!」と怒鳴るようになる。Hという人物は拷問のスペシャリストで過去やってきたことで敵から命を狙われるようになったため、政府から保護を受ける代わりに汚れ仕事をさせられているのだ。ヤンガーに対する拷問の現場に居合わせる人物は名札を外し拷問に加担しない。ヘレンにも「拷問の他に打てる手」は無い。明らかに「ブッシュのアメリカ」を描いた映画。あの時の彼らに批判的な立場でいようとしても、もし、自分の身内が誘拐されて犯人が目の前にいて居場所を吐かなかったら、拷問をせずにいられるだろうか。

彼らが戦いの中で直面する難しい問いかけだ

残酷な手段に出た敵をどうやって打ち負かす?

この問いかけは裏を返せばこういうことだ
拷問の場に望んで行くのなら
その人は人間性を失い偽善者になる

グレゴール・ジョーダン監督コメンタリー

この映画のDVDにはアメリカで公開されたオリジナルの”ショートバージョン”と、オリジナルのエンディング後に映像が追加された日本公開版の”ロングバージョン”が収録されている。テロとの戦争の中にいるアメリカの人にはショートバージョンは希望が残された終わり方になっているけれど、ロングバージョンはショッキングかもしれない。

監督コメンタリーによれば、この映画に出てくる”H”にはモデルとなる”拷問アドバイザー”が実在する。彼曰く、Hとヤンガーの経歴、人物像は非常にリアルで、ヤンガーのような”折れない対象者”は現実に存在し、軍人がある日テロリストになる可能性も「いつ起きてもおかしくない」のだという。

この映画の出す答えは「始めから負け戦」だ。現実にヤンガーが現れたら、その時彼は既に勝利を手にしている。誰にも正しい答えが出せない究極の問いを突きつけてくる。

4デイズ
原題Unthinkable
時間97分
監督グレゴール・ジョーダン
キャストサミュエル・L・ジャクソン、キャリー=アン・モス
マイケル・シーン
4デイズ (字幕版)
カテゴリ: Action & Adventure

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