Apple iPhone 3GS レビュー Part.1
GUIに半角メニューがあるのが大嫌いだ。十分な解像度があるのに半角カタカナと全角文字の組み合わせを見るのが大嫌いだ。
これまでずっと携帯電話を使っていて、どんなに外観がかっこよくなろうとも、機能が増えようとも、液晶の解像度が大きくなろうとも。半角カタカナがメニューに使われるのだけは我慢がならなかった。
ここに来て一部の機種ではメニューでの文字使用は全角文字で統一されるものも出てきたけれど、ケータイサイトへアクセスすればまた半角カタカナとのご対面だ。
もう、我慢の限界だ。
iPhoneが発表されてから、気にはなりつつもキャリアがソフトバンクであること(あまり良いイメージを持っていなかった)、日本の携帯電話メーカーもそれなりにiPhoneを意識していただろうから、GUIを洗練させた携帯電話が出てくるものと期待していた。だけど、とうとう出なかった。
iPhoneの魅力は、アプリケーションの豊富さももちろんだろうけど、個人的には徹底的な文字の美しさの追求と、おもてなしにあるのだと思っている。
とにかく文字はきれいに。目的の機能を呼び出した後、その結果が帰ってくるまでのアニメーション。昔のWindowsのようにパッとウィンドウ出して「どうぞ」とぶっきらぼうに返すのではない。丁寧に差し出してくるようなイメージは見ていて気持ちがいいし、使っていて満足感がある。
その所作はどちらかと言えば日本的な丁寧さをイメージさせるのに、どうして日本の企業から追随したものが出てこなかったのか。
単にできることが増えて「我々の電話は最先端を行っています」ってそうじゃないだろうと言いたくて仕方がない。どうして演出になんら力を入れてこなかったのか。デザイナーズモデルが出ても相変わらずGUIに変化はなく、「スキンを変えました」とも言えない程の小細工。どこが新しいのだ。せめて文字だけでも美しければ。
日本にはひらがなもカタカナも漢字もあって、それらはみな美しいと思っている。だからこそ、日本のケータイが文字の美しさにこだわってこなかったのが許せない。もうこれからどんなケータイが出てこようとも、きっと何もワクワクすることはないだろう。やってこないワクワクを待っている時間はもったいない。ならば、iPhoneだ。
と、前書きが長くなってしまったけれど、年が明けてから、MNPでiPhoneに機種変更してきた。不満を抱えてストレスを貯めるのも体によくない。1月はAppleがイベントを行う月で、もしや新型iPhoneが発表されるのでは?ともやもやするも、iPhone for Everybodyキャンペーンで、本体代金の上乗せ分も安くなるのが魅力だった。3GSなら2年間は満足できるだろう。