FPS時代のシリーズ続編「S.W.A.T. 闇の標的」
ちゃんとシリーズ作品。訓練シーンもしっかり。
「S.W.A.T.闇の標的」を観た。コリン・ファレルの出てる「S.W.A.T.」はお気に入りの映画の一つ。特殊部隊モノが好きだけど、SWATモノは特に好き。「闇の標的」のジャケ写には”続編”って書かれてるけど「勝手に便乗したんでしょ?」と思ってた。だけどちゃんと「あの曲」が流れたので続編らしい。そして、結構面白かった。
主演はドラマ「SUITS / スーツ」で主人公の一人ハーヴィー・スペクターを演じているガブリエル・マクト。スーツ姿もカッコいいが戦闘服姿も似合ってる。共演に「ターミネーター2」で液体金属のターミネーターT-1000を演じていたロバート・パトリック、さらに「ターミネーター3」でT-Xを演じていたクリスタナ・ローケンとなかなか豪華な名前が並んでいる。
ストーリー
LAのSWATチームを率いるポール(ガブリエル・マクト)は、その能力を買われデトロイト市警のSWATチームの教官役を頼まれることに。2週間の期限付きで指揮権を与えられたポールは、新しい部下の訓練中に発生した立てこもり事件に駆けつけるが、当初人質と思われていた女性が実は犯人で、彼女は現場で自殺してしまう。事件は解決したかに思われたが、その犯人の恋人だったウォルター(ロバート・パトリック)はポールを逆恨みし、SWATチームへの復讐を開始する・・・。
若きリーダーが元政府エージェントと戦う
続編だと宣伝されてはいても、コリン・ファレルもサミュエル・L・ジャクソンも出てこない。だから、そんなに期待せずに見始めたけど、十分楽しめた。前作同様に訓練シーンもたっぷり。訓練の最中に度々事件が発生するので実戦シーンも増えていて、FPSゲームの様な視点も多用されていたりと飽きさせない工夫が多く見られる。
動きの中で狙って 撃って 救う
しかも迅速にだ 15秒で弾倉を空にしろ
俳優陣も魅力的。ガブリエル・マクト演じる主人公カトラーの、自信に満ちて正義感が強いキャラクターはコリン・ファレルの役に重なるし、若いチームリーダーが訓練や実践を重ねながら尊敬を集めていくのは見ていて気持ちがいい。
悪役を演じるロバート・パトリックはすっかり貫禄のある姿になっててデニス・ホッパーみたいだ。ハッキングの能力に長けていて、自分の犯行の証拠を残さない犯人をどうやって探しだすのか?というのが気になっていたけど、「お前の恋人を誘拐した、何時にここに来い」って待っててくれるのはちょっと親切過ぎやしないか(笑)。
やけに明るく見える映像や、フレームも多めに感じるし(24pじゃないような・・・)、明らかに火薬の量をVFXで補ってて、そこはかとなくテレビ映画感が漂っているのだけど(どうやら劇場公開はされず、Blu-ray/DVDリリースとなった模様)、事件の数と主人公達のキャラクターの良さがポジティブな印象を残してくれる。アクションがウリのドラマシリーズの力の入ったパイロット版、くらいには面白い。
思えばアメリカの各州にSWATチームがあるのだ、シリーズはいくらでも作れるはず。ポールが続投でもいいし、どんどん続いて欲しい(ちなみにガブリエル・マクトと前作の主演を演じていたコリン・ファレルは、新人CIA工作員の教育課程を描いた「リクルート」で同僚として共演している。教官役はアル・パチーノ。こちらも面白いので興味のある方はぜひ。)。