名言の詰まった2時間。「荒川アンダーザブリッジ THE MOVIE」
「私の敵になる覚悟はあるのか?」「ありまくりですよ!」
休日。映画版の「荒川アンダーザブリッジ」を見に新宿ピカデリーへ。初めて来たけど、新しくてキレイな映画館だ。
「他人に借りを作るべからず」を家訓に生きてきた一ノ宮行(林遣都)。彼はひょんなことから荒川に落ちてしまい、荒川河川敷に住む、自称金星人のニノ(桐谷美玲)に助けられ、借りを作ってしまう。借りを返したい行は、ニノから恩返しとして要求された「ニノに恋をさせる」ために恋人になり、荒川河川敷で暮らすこととなる。河川敷には河童のスーツを来た「村長」や星のかぶりものをした「星」など常識外れの住人たちがいて・・・というストーリー。
原作コミックは最初の方の数巻を読んだことがあるくらいで、全体のストーリーを知らないまま、テレビドラマ版を観て結構気に入ってた作品。映画版はドラマ版の総集編が半分と「実は行が荒川にやってきたのには思惑があった」という部分と、父親の一ノ宮積とのやりとりが半分の構成になっていた。
多分、この映画(実写ドラマも含めて)は原作未読の方がすんなり楽しめるのではないかなぁと思う。コミックほどにはギャグで突っ走ってはいないし、シリアスな演出が原作ファンだったら受け入れることができるかどうか。
ドラマ版でも「好き嫌い分かれそうだなぁ」という印象はあって、自分の場合は雰囲気が好きになれたのだけど、キャラクターの設定とか、「あのキャラクターは一体何者なのだ?」と真面目に考えてしまうとそこに関する説明が全くない(ドラマ版では一部キャラクターの過去を描く回もあったけれど映画版ではカットされている)ので、おそらく許せない人が出てきてしまう作品ではある。
映画を見た、というよりは、奇想天外ではあるけれど、あり得ない「あったらいいなこんな思い出」みたいな世界の匂いが通り過ぎていく感覚。
「私の敵になる覚悟はあるのか?」「ありまくりですよ!」のくだりとか、ラストの、積役の上川隆也の「思い出は作ることより忘れることのほうが難しい(うろ覚え)」のセリフが響いた。メモリたい名言の多い映画。自分は好き。主演の2人の他、星役が山田孝之、村長役が小栗旬だったりと、豪華なキャストもしっくりきてる(片瀬那奈のマリア、もうちょっと見たかったなぁ)。
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