不動産屋さんが欲しい広角21mmデジカメ OLYMPUS TG-850 / 860 Tough
目次
部屋を広く撮るには24mmじゃまだ足りない
2014/4/20:OLYMPUS STYLUS TG-850 Toughの登場に合わせて加筆修正。
2018/1/21:CASIO EX-ZR4100の登場に合わせて加筆修正。
デジカメの広角化が進んで24mmレンズの機種が多くなったけれど、さらに広く撮れるデジカメが出てきた。
カシオの”フリースタイルデジカメ”TRシリーズの最新機種「EX-TR15」。広角21mm単焦点レンズの自分撮りがしやすいカメラ。
デジカメWatch:カシオ、無線LAN搭載のフリースタイルカメラ「EX-TR15」を海外発表
TR100が実際に発売された頃は面白いな、とは思いつつ、「広角21mmなんて集合写真を撮ったら端にいる人は歪むだろうし、さすがにちょっと使いづらいんじゃないか」なんて思っていたのだけど、需要はある。実は21mmは不動産屋の仕事で室内写真を撮る時に欲しくなる画角だ。
広角21mmは”不動産屋スペシャル”
不動産会社によっては写真担当の社員に一眼レフデジカメを持たせたり、プロのカメラマンにお願いして部屋ができるだけ広く見えるような写真を手に入れることに力を入れているのだけど、案外「写真なんて映ってればそれでいい」なんて写真の力をそれほど信じていない上司や社長も多い(不動産屋のサイトを見るとよくわかるけど、立ったまま見下ろすように撮ってて天井が写っていなかったり、垂直水平を意識してなかったりと、社員も写真の撮り方をよく考えていないことも多い)。
そんな会社ではコンパクトデジカメで頑張るしかない。が、24mmではまだ足りない。6帖くらいのワンルームだと実際に見れば「ベッドを置いても足場は残るし、一人暮らしなら十分だな」と感じても、撮れる写真は「足の踏み場がほとんどないほど狭い」と印象付けてしまうものに。文章でどれだけ「十分な広さがありますよ」と説明したところで、室内写真が極狭に写っていたらお客さんを納得させるのは難しい。コンデジだとGR Digital(APS-CのGRではない方)にワイコンを付ければ21mmは手に入るけど、小さな会社だと5万のデジカメでも「高い。」って判断されてしまう。
そこでTRシリーズは魅力的に見えてくるのだけど、セルフィー向けカメラが人気の中国向けに売られた機種なのでプレミア価格がついてしまって手が出ない。EXILIMといえば薄型カードタイプの印象もあるので、21mm単焦点レンズ搭載で復活しないだろうか。超広角ならよりメモ道具らしさがあってコンセプトに合いそうに思う(クロップによる擬似ステップズームとか付ければネガはないだろう)。
雨の日もラフに使える超広角デジカメ STYLUS TG-850 / TG-860 / TG-870 Tough
・・・と思っていたら、オリンパスから21mm防水デジカメが登場。EX-TRよりもぐっと自然な形で、可動式液晶が付いているから膝立ちせずともウエストレベルで撮影ができる。部屋の角にぴったりくっついて腰の位置で撮れば狭い部屋も見た目に近い「まぁまぁ十分な広さ」に写るはず。値段もぐっと現実的で説得しやすい。防水・耐衝撃のタフネス仕様で広角21mmときたら、不動産屋カメラの新しいスタンダードになりそうな予感(背面液晶が3インチ・46万画素なのでもう一声欲しいところではあるけれど)。
後継機のTG-860 Toughは防水性能がさらに向上。基本スペックを850からほぼそのまま継承している。背面液晶の画素数はアップして欲しかったかな。
追記:シリーズ最新機種のTG-870 Toughは広角21mmを維持しながら待望の背面液晶の画素数アップ(46万画素>92万画素)が実現!ピントの確認などがしやすくなります。
OLYMPUS コンパクトデジタルカメラ STYLUS TG-870 Tough グリーン 防水性能15m 180°可動式液晶 TG-870 GRN
購入前に機能を確認したい方はこちらで説明書がダウンロードできます。
追記:コンデジで広角19mm!CASIO EX-ZR4100 / ZR4000
その後、カシオからなんと広角19mmという超広角レンズ搭載のデジカメが登場した。EX-ZR4000とその後継モデルZR4100は女性に人気の自撮り(セルフィー)に特化したカメラで、こちらも180°開くチルト液晶を備えている。5軸手振れ補正、HDR撮影も搭載し、屋外、室内ともに活躍してくれそうだ。個人的に嬉しいのはファンクションリングにステップズーム機能を割り当てることができるところ。レンズはそれほど明るくないが趣味で持ち歩いても楽しそう。
毎年進化を続けるスマホを前にコンパクトデジカメは淘汰されてしまうのか…という心配もしてしまうが、だからこそ、スマホにできないことを実現すべく超広角モデルも出てきた。まだまだコンデジには居場所があり、選ぶ理由もあるのだ。
※2018年5月にカシオはデジカメから撤退し、カメラの生産を終了しました。
飛び道具カメラは未来の定番になるか?RICOH THETA
その他に室内撮影に向いてそうなコンパクトデジタルカメラを探すと、飛び道具的なカメラにお部屋を360度取り込めるRICOH THETAもある。三脚とスマホも必須になるし、360°写真の掲載には(サイトのCMSによっては)ある程度スキルを要することもある。誰でもすぐ使えることを考慮すると現時点ではTG-850 / 860 Tough、EX-ZR4000 / 4100がベストチョイスか。
追記:RICOH THETA SCを使い始めました。初期設定などの使い方は以下の記事に記載しています。
関連記事:あったら結構楽しい!360°全天球カメラRICOH THETA SC
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購入前に機能を確認したい方はこちらで説明書を見ることができます。
部屋が広く撮れるカメラが手にできたら、次は露出補正とカメラアングルのチョイスの仕方がわかるようになるとぐんと好印象の写真が撮れる。自分で思い通りにいい写真が撮れるようになったら、人に譲りたくない楽しい仕事になる。