1万円ちょっとの高画質ブルーレイプレーヤー Pioneer BDP-160
※この記事は2014年に作成したものです。2022年現在、パイオニア(現オンキヨー&パイオニア)ブランドの据え置き型ブルーレイプレーヤーはすべてが生産完了しています。
目次
省エネ・万能メディアプレーヤー パイオニア BDP-160
パイオニアのブルーレイプレーヤー BDP-160を購入した。ブルーレイを再生するのも、nasneを通して動画を見るのも、PS3を使えばできるけど、電力消費量がちょっと気になる(それでも初代と現行モデルでは随分と差があるし、実際のところ1日数時間ならそんなに気にするような電気代にならないのだけど)。
機種を選ぶにあたって考慮したのは次の3つ。
- 予算は15,000円程度
- nasneの録画番組、ライブチューナが視聴可能
- DVDのアップコンバートも重視した設計
国内、海外メーカーとも、ブルーレイレコーダーの方が利益が出るのかプレーヤーのラインナップは少なく、値段もほとんどが2万円以下。
候補に上がったのは東芝のDBP-S300(とにかくコンパクト、Hulu対応が魅力)、LG BP630(DLNA、Miracast対応が魅力)、ソニー BDP-S5100(Hulu対応、UIがXMBなのが魅力)、そしてパイオニアのBDP-160。DBP-S300はnasneの録画番組が見られるらしいのだけど、ライブチューナが使えないという記事を見つけた。BDP-S5100は16,000円程度と、PS3との価格差が他に比べて小さいのと、傷が目立ちそうな外観をしているのが気になった(多面体デザインというのは面白いとは思う)。BP630のMiracast対応は非常に魅力なのだけど、パンフレットを見てもメーカーのサイトを見ても、情報が少なく、パイオニアの機能紹介が「高画質にこだわってそう」と思わせてくれたのが決め手になった。
画質調整機能も搭載!レジューム機能も便利!
ブルーレイの再生は不足を感じることのない安心の高画質。画質調整も「ファイン」「シネマ」「カスタム」が用意されていて、映画を楽しむときには「シネマ」を選べば黒が締まってしっとりとした画質となる(ブルーレイの魅力はこのしっとり感だ)。物足りなかったり、「ちょっと違うな」と感じることがあれば調整項目が多いカスタムを選ぶと満足できる画質まで追い込めると思う(ノイズリダクションの強弱も設定できる)。「アウトロー」(クラシックな雰囲気が新鮮!)のブルーレイを再生したみたところ、途中で再生が止まったりすることも、ディスクに傷が付くことも無かった。BDP-160にはレジューム機能も備わっていて、ディスク別に停止位置を記憶しているのか、ディスクを何度か入れ替えても、それぞれ途中から再生された。
DVD再生時はアップスケーリングが働いて画面いっぱいに出力されるものの、元のソースが低解像度なのでどうしてもブルーレイ並みとは行かない。SDソースの再生品質は他メーカーのプレーヤーと見比べても仕方が無さそうだ(海外サイトのレビューを読んでみたけどBDP-160のアップコンバートは”いい方”のようだ)。あと、小さなところだけど、ディスクトレイの溝(凹み)が浅いのがやや気になる。上品にも思えるけど、しっかり乗せたのを確認しないと格納するときにディスクを噛みそうだ。
再生可能メディアはブルーレイ、DVDの他、USBメモリ、NASに入った動画ファイルも再生できる(H.264などパッと思いつくフォーマットのほとんどに対応している)。
BDP-160(と、パイオニアの無線LAN機能搭載ブルーレイプレーヤー)にはiOSとAndroid向けにアプリが用意されていて、スマホをリモコンとして使えるのだけど、正直なところ、リモコンを使った方が早い(リモコンにあるボタンが全てアプリにあるわけでもない)。リモコンを無くしたときに役立ちそうではあるが・・・。
nasneとの連携はライブチューナーも含めて機能する
BDP-160は「DLNA対応」。nasneを繋げると(nasneがつながっている同じルーターに有線で繋げた)ホームメディアにnasneが追加されて、ライブチューナを含めて動画をモニタに出力できる。タブレットからのMiracastミラーリングでは再生できなかったのでありがたい。動画の切り替え時に一旦ホームメディアのトップ画面に戻ってしまうのがもどかしいが、PS3の代わりとしては十分だ(PS Vitaでは720p出力となるようなので物足りなく感じそう)。3倍モードで録画した番組もきれいに見られる。
Miracastミラーリングは機能しないけれどYouTube Send to TVは便利
「Wi-Fi Directでスマホの画面をテレビに出力できます」とあったので、ひょっとするとKindle Fire HDXの画面も出せるのか、Miracastのアダプター買ったばかりだったけど出番が無くなっちゃうな。なんて思っていたけど、BDP-160を使ったスクリーンミラーリングは機能しなかった。KindleのWiFiアクセスポイントにBDP-160は見つかるし、接続もできて、スクリーンミラーリングの機器選択画面にもBDP-160が表示されるのだけど、選択しても画面は真っ暗なまま。MiracastはWi-Fi Directの技術を使うが同じものではないようだ。何度か試してみたけれどKindleの画面がモニタに出ることはなかった(Android4.xには「Wi-Fi Direct」というメニューがあるがKindleのFire OSにはAmazonが削除したのか、そのメニューらしきものが見当たらない)。
あわよくば、と期待していたMiracastが使えないのが判明して、BDP-160はブルーレイ再生専用機として使うしかないかと思ったけれど、なかなか便利な「+α」がまだ残っていた。YouTube Send to TVだ。
YouTube Send to TVはGoogleのYouTubeアプリが使える端末で検索したYouTubeの動画を、YouTube Send to TVに対応したプレーヤー(が繋がったモニタ)で再生することができる機能。Google純正のiOS向けYouTubeがこの機能に対応していて、iPhoneからBDP-160に動画を転送できる。こういうことはApple TVじゃないとできないと思っていたので意外。フルHDではないように見えるが、アップされている映像ソースが高画質であれば、720p程度にはきれいに見ることができる。
BDP-160単体でYouTubeを楽しむのは、UIの大半が英語表記だったり、検索するにも文字入力をリモコンで行わなければならなかったりと、お世辞にも快適とは言えない。ノンPCでテレビでYouTubeを楽しみたいときはYouTube Send to TV機能を使うと快適だ(ただ、BDP-160のYouTubeは本体内アプリを起動しているようで、切り替えに時間がかかってシームレスでは無いのがちょっと残念)。
本体デザインもUIもコンサバだし、欲を言えばHuluに対応していたり、Miracastに対応していたら嬉しいけれど、1万円で買えるブルーレイプレーヤーとしてはしっかり高画質だしnasneも活用できて満足できる。ファームウェアもアップデートされているので、売りっぱなしということもない。シンプルにブルーレイを高画質で楽しめたらいいというときにはオススメのプレーヤーだ。
追記:4K Ultra HD Blu-rayプレーヤーも安くなってきた
フルHDの4倍の解像度(4K)で映像を収録しているUltra HD Blu-ray(UHD BD)対応ブルーレイプレーヤーも、2018年現在では25,000円前後の価格帯まで降りてきている。登場時はしばらくMicrosoftのゲーム機Xbox One Sが最安のUHD BDプレーヤーだったが、今では専用機の方が安く手を出しやすくなった。ゲーム機能が不要ならば省エネ重視で専用機を選ぶことができる。もちろん2Kのディスプレイでも問題なく視聴可能だ。
ソニー ブルーレイプレーヤー/DVDプレーヤー UBP-X700 Ultra HDブルーレイ対応 4Kアップコンバート UBP-X700