ジユウメモメモ

HeroBoxはスティックPCからの買い替えにぴったり

「スティックPCの次」のベストバイ。小型デスクトップPC CHUWI HeroBox

省エネ、ファンレス無音、メモリもストレージも余裕有り!これでいい

技適もPSEマークも。”ちゃんとしてる”中国製PC

 自宅用のデスクトップPCを新調した。購入したのは中国メーカー CHUWI(ツーウェイ)のHeroBox。光学ドライブレスの小型パソコン。

 これまでは中古で購入したARROWS Tab Q506/MEを外部モニタに接続して使ってきたが、内蔵ストレージが64GBということもあってプログラミングの練習やLocal by Flywheelを使ったWordPress開発をしようとするといよいよ狭くなってきた。

 Pentium4時代のデスクトップPCからスティックPCに変えたときに電気代がガクッと下がったのを機に、すっかり省エネPC派になってしまったので「必要十分な処理能力があり低TDPであること」を優先して探したところHeroBoxに行き着いた。

スペックを見ると4コア4スレッドのCPU、無音のファンレス(ホコリを気にしなくていい!)、メモリ8GB、256GB SSD、ストレージ拡張用の内部ストレージ有りとスティックPCにあったボトルネックがほとんど解消されている。

有名とはいえない中国メーカーの製品ということだけが気になるが、モノが良ければコスパは抜群だ(Amazon.co.jpで2万円台。安い!)。国内メーカーはもちろん、DellよりもLenovoよりも安い。試してみよう。

CHUWI HeroBoxの本体外観・上から
オレンジがアクセントになっているHeroBox。マットな質感が気に入った。

同梱物・本体外観

 CHUWIの製品は初めて購入したが、梱包はしっかり、商品もきれいな状態で何も問題はなかった。価格は安いが品質に安っぽさはそれほど感じられない。

「おっ」と思ったのは技適やPSEマークの取り扱いもちゃんとしているところ。中国メーカーのPCやガジェットは通販サイトにいろいろあるが、技適を取得していない場合があり、実は「有線なら大丈夫だがWiFiでネットに繋げると国内では違法になってしまう」ものが少なくない。この点だけでも「このメーカー、いいかも!」と好感を持った。

CHUWI HeroBoxの外箱
Amazonから発送されたので梱包はしっかり。外箱はきれいなまま到着。
CHUWI HeroBox 外箱スペック記載ステッカー
CHUWI HeroBoxはCPUにCeleron N4100、メモリ8GB、256GB SSD搭載。省エネ性能はそのままに、スティックPCの「もうちょっと」が実現したPCとなっている。
CHUWI HeroBoxの箱を開けたところ
箱を開けるとみっちり!ちゃんとしてる!
CHUWI HeroBoxのパッケージ内容
パッケージ内容はPC本体、ACアダプター、取り付け金具、取り扱い説明書、メーカー保証書。
CHUWI HeroBoxの説明書
各国語で記載されている説明書には日本語も。PC本体のコネクタ配置などを説明した簡易な内容。
PSEマークのあるHeroBoxのACアダプター
Amazon.co.jpから購入するHeroBoxに付属の日本仕様のACアダプターにはPSEマークも。ちゃんとしてる!

 パッケージにはキーボード、マウス、HDMIケーブルは付属しない。すでに手元にあるPCの置き換えならそれらは引き継いですぐに使い始められるし、1台目や離れた場所に追加するパソコンに選ぶなら、別途用意する必要がある。

CHUWI HeroBoxの本体外観・前面ポート類
HeroBoxの前面。ポート類は左からUSB3.0 Type-C、USB Type-A×2、microSD。右端にオレンジの電源ボタンがある。
CHUWI HeroBoxの本体外観・背面ポート類
背面に並ぶポート類は左からリセット穴、電源ポート、VGA、HDMI、Gigabit Ethernetポート、USB2.0×2、イヤホンジャック。
CHUWI HeroBoxの本体外観・底面
HeroBoxの底面のプリントには技適マークも並ぶ。やっぱりちゃんとしてる!
HeroBoxの底面カバーを外したところ
HeroBox底面にある内側の6本のネジ(1枚シールを剥がす必要あり)を外すと2.5インチの拡張ストレージスロットにアクセス可能。HDDまたはSATA SSDを格納できる。さらに4つのネジを外すとマザーボードにアクセスできる。

 外から見える部分以外では、無線LANがIEEE802.11bgn/a/ac規格に対応、Bluetooth4.0も利用可能。さらに、PC本体内部にマイクも内蔵されている。

バンドルソフトなしのクリーンなWindows10環境。ローエンドCPUでもSSDのおかげで快適。

 初回セットアップ直後のCHUWI HeroBoxにインストールされたWindows10はバージョン1909(November 2019 Update)だった。国内メーカー製PCのようなプリインストールアプリはなく、ほぼ素のWindows10と言った感じで個人的に好印象。

 すぐにGoogle ChromeやAffinity Photo、Visual Studio Codeなどをインストールして使い始めたが、どれもキビキビ動いて快適。4Kモニタに繋いだ場合はまた異なる印象かもしれないが、フルHD環境で使う分には全く不満は無い。YouTubeの再生もスムーズ。当たりの買い物だ。

使い始めに行うこと

タイムゾーンとキーボードの設定

 HeroBoxは初期設定ではWindows10の設定が一部海外向けになっている。「設定」からタイムゾーンとキーボードの設定を変えておこう。

HeroBoxのタイムゾーン設定
タイムゾーンの設定はWindows10の「設定」>「時刻と言語」>「日付と時刻」画面の「タイムゾーン」のプルダウンメニューから
HeroBoxのキーボード設定
キーボードの設定は「設定」>「時刻と言語」>「言語」画面の「優先する言語」にある「日本語」をクリックし、続けて「オプション」をクリック
HeroBoxのキーボード設定 2
「言語のオプション:日本語」画面にある「ハードウェアキーボードレイアウト」が英語キーボードになっているので「レイアウトを変更する」ボタンをクリック
HeroBoxのキーボード設定 3
「ハードウェアキーボードレイアウトの変更」ウィンドウで「日本語キーボード(106/109キー)」を選択し、PCを再起動する。
本体内蔵マイク

 Amazon.co.jpの商品ページでは触れられていないが、HeroBoxは本体にマイクを内蔵している。ボイスチャットなどを使う人には便利だが、使わない場合はちょっと不気味に感じるかもしれない。内蔵マイクは「設定」から無効化できる。

HeroBoxの内蔵マイク設定 1
HeroBox内蔵マイクの無効化は「設定」>「システム」>「サウンド」の「入力」が「Microphone」になっていることを確認し、「サウンドデバイスを管理する」ボタンをクリック
HeroBoxの内蔵マイク設定 1
「サウンドデバイスを管理する」画面の「入力デバイス」にある「Microphone」をクリックし、「無効にする」ボタンをクリック
HeroBoxの内蔵マイク設定 3
一つ前の画面に戻り「入力デバイスが見つかりません」になっていることを確認する。

ネットサーフィン、フォトレタッチやブログ更新、プログラミングの学習用には十分

スティックPCとPassMarkで比較

 CHUWI HeroBoxの搭載CPUは、ネットブックやスティックPCに採用されていたAtomの流れを汲むプロセッサのCeleron N4100(開発コード:Gemini Lake)。

ちょうど手元に初期のAtom Z3735F搭載のスティックPC(Intel Compute Stick)と、次の世代のAtom x5-Z8500を搭載したタブレット(ARROWS Tab Q506/ME)があるので、「スティックPC搭載CPUの世代間の処理能力」がわかりやすい。Cerelon N4100とベンチマークの参考値とされるPassMarkスコアを比較してみる(いずれも4コア4スレッド)。

PassMark Software – Intel Atom Z3735F @ 1.33GHz vs Intel Atom x5-Z8500 @ 1.44GHz vs Intel Celeron N4100 @ 1.10GHz

スティックPC、タブレットとHeroBoxを並べたところ
スティックPC(Intel Compute Stick)、10インチタブレット(ARROWS Tab Q506/ME)、HeroBoxを並べたところ。Atom系プロセッサの3世代の処理能力を比べてみる。

Atom Z3735FのCPU Markは「526」、Atom x5-Z8500は「1238」、Celeron N4100は「2449」。

Celeron N4100はよく「非力だ」とも言われるが、PassMark CPU Benchmarks – High Mid Range CPUsを見ると、Celeron N4100はCore i5-750(CPU Mark:2441)や Core i7-4610Y(CPU Mark:2446)の上にランクインしている。名前こそCeleronではあるが、省エネラインのCPUも進化はしていて、(モバイル向けであったりはするが)古い世代のCoreプロセッサより処理能力がある。フルHDモニタ環境で動画編集や3DCGを制作するようなことがなければ十分ではないか。

eMMCとSSDの速度を比較

 CPU性能はCeleron N4100の前世代のAtom x5-Z8500でも、動画配信サービスの視聴や簡単なフォトレタッチ、ブログ更新作業においては十分に感じていたが、時間が経つにつれちょっとずつ不満になってくるのが「ストレージの小ささ」。

スティックPCの32GB eMMCは「Windows10の大型アップデートはできないことはないが、普段使いのソフトは節約が必要」、タブレットの64GB eMMCは「Windows10の大型アップデートに不安はないがグラフィックスソフトを複数インストールするとギリギリ」だった。

HeroBoxだとストレージは256GBと数倍に広がり何をするにも余裕がある。読み書き速度も最新のパソコンほどではなくとも十分アップグレードを感じられる。

Intel Compute StickのeMMCベンチマーク
Intel Compute Stick搭載eMMC(Kingston S10032)のCrystalDiskMarkのスコア
ARROWS Tab Q506/MEのeMMCベンチマーク
ARROWS Tab Q506/ME搭載eMMC(SanDisk DF4064)のCrystalDiskMarkのスコア
HeroBoxのSSDベンチマーク
HeroBox搭載SSD(Kingston RBUSNS8180S3256GJ)のCrystalDiskMarkのスコア

iPhoneのバックアップやiTunesの音楽ファイルを保存するなら256GBでも足りなくなってくるかもしれないが、そのときは本体底面の2.5インチベイにSSDかHDDを追加すればいい。今ならSSDも買いやすい値段になってきた。ゼロスピンドルで無音のまま使い続けられる(microSDも使えるが容量が大きくなるとそれほど安くない)。

勘違いでOSをクリーンインストールすることになったが結果良かったかもしれない話

「回復」後のセットアップ画面で日本語入力ができない?

 購入直後から快適に使えていたが、自分の操作ミスでOSがおかしくなったと勘違いして必要は無かったのにWindows10をクリーンインストールすることになってしまった。

とはいえ、海外製PCであるが故の問題に引っかかった可能性もあるので、メモしておく。

まず、勘違いしたのが、「Windows10」のログイン自動化でよく紹介される「netplwiz」起動後の「自動サインインのユーザー名」を「コンピューターのユーザー名」と完全に一致させる必要があったこと。Microsoftアカウントでセットアップをしていたのでユーザー名はメールアドレスになるはずのところを、名前だけにしていたので自動ログインが機能せず、ログイン画面にアカウントが2つ並ぶ現象が起きた。これでOSがおかしくなったのだと思い込んだ。

そこで、Windows10の「設定」にある「回復」から「このPCを初期状態に戻す」を「すべて削除する」オプションで実行したのだが、再起動後にモニタの表示がされるはずが、画面が真っ暗なままになってしまった。

「ストレージの中身を消すにしても何かしら表示はされるのでは…?」と心配になってPCの電源長押しで再起動させるとセットアップ画面になったのだが、どこかおかしい。フォントはアンチエイリアスが外れたように見えるし、日本語の文字がところどころいわゆる中華フォントに置き換わっている。セットアップ画面にある、3つ質問に対する答えを入力するタイミングでキーボード入力をしようとすると日本語が打てない。

※購入直後の初期セットアップでは日本語入力も行え問題は無かったので強制再起動した際におかしくなった可能性はあります。

といった感じで詰んでしまい、Windows10のクリーンインストールを試すことにした。別のPC(もしくは事前に準備をしておく)とUSBメモリがあれば行える。

Windows10クリーンインストール手順(自己責任で)

1.Double DriverでHeroBoxのデバイスドライバーをバックアップする

 DellやHPといった大手のPCメーカーはたいていデバイスドライバーをWebサイトからダウンロードできるが、CHUWIでは今のところはそういったソフトウェアのダウンロードページは用意されていない(ユーザーフォーラムは存在し、スレッドの中にドライバーのzipファイルのリンクが貼られていたりはするのだが、公式なものかは判別しにくい)。

そのため、フリーウェアの「Double Driver」を使ってデバイスドライバーをバックアップしておく。UIは英語だが、操作はシンプルだ。

窓の杜:Double Driver

Double Driverの使い方 1
Double Driverの起動画面。デバイスドライバーのバックアップを開始するときは「Backup」をクリックする。
Double Driverの使い方 2
続いて画面左下の「Scan Current System」をクリックするとHeroBoxにインストールされているデバイスドライバーがスキャンされる。
Double Driverの使い方 3
デフォルトではマイクロソフトが提供するドライバーを除いてリストアップされる(任意で全てをバックアップすることも可)。右下の「Backup Now」をクリック。
Double Driverの使い方 4
デバイスドライバーの保存先を選択し、フォルダにまとめてバックアップするか、1つのzipファイルに圧縮して保存するかを選び「OK」をクリックするとバックアップが完了する。
2.メディア作成ツールでWindows10インストール用USBメモリを作成する

 Windows10のクリーンインストール用にUSBメモリを使ってインストール用メディアを作成する。

マイクロソフトの「Windows10のダウンロード」ページにアクセスし、「ツールを今すぐダウンロード」をクリックする。

Microsoft:Windows10のダウンロード

ダウンロードした「MediaCreationTool20H2.exe(October 2020 Update)」を実行する。「実行する操作を選んでください」画面で「別のPCのインストールメディアを作成する」を選択し、「言語:日本語」「アーキテクチャ:64ビット」の設定でUSBのインストール用メディアを作成する。※

※HeroBoxの前面USB差込口は少し奥まったところにあるため、コネクタ周辺が大きめのつくりになっているUSBメモリ(キオクシアのTransMemory U301など)は奥まで挿さらない場合がある。

3.SSDの回復パーティションを統合してインストール

 Windows10のインストール用USBメモリが完成したら、USBメモリをHeroBoxに接続し、PCの電源を入れる。画面にメーカーロゴが表示されたところでESCキーを押すとBIOS画面が起動するので、BootメニューからUSBメモリを起動ディスクに設定し、保存・再起動する。

Windows10のセットアップ画面が表示されたら「今すぐインストール」をクリックし続行、「インストールの種類を選んでください」画面で「カスタム:Windowsのみをインストールする」を選択する。

「Windowsのインストール場所を選んでください。」画面で内蔵SSDのパーティションを選択することになるが、ここでHeroBoxのデフォルトの回復パーティション(約1.7GB)を削除してCドライブに統合することにした。「システムで予約済み」のパーティションをそのままにして他のパーティションを削除し、「新規」で予約済みを除いた領域をCドライブにしてインストール先に指定した。

その後、インストールが進み、処理が完了して再起動がかかったら、USBメモリを抜くか、BIOS画面を起動して起動ディスクを「HDD(SSD)」に戻す(起動ディスクがUSBメモリになったままなのでWindows10のセットアップ画面が再び表示されてしまう)。

4.Double Driverでバックアップしておいたデバイスドライバーを復元する

 Windows10のデスクトップ画面が表示されたら、Double Driverを使って先ほどバックアップしておいたHeroBoxのデバイスドライバーを再インストールする。

Double Driverの起動画面で「Restore」をクリックし、デバイスドライバーの保存先(またはzipファイル)を指定するとデバイスドライバーの一括インストールが実行される。

HeroBoxはグローバルに販売されているためか、Windows10の対応言語が多く、WindowsUpdateを実行すると各国の言語パックがどっさり降ってくるなど日本市場向けのパソコンとはちょっと違う部分もあったのだが、OSのクリーンインストールをした後はそういったことがなく、普通の日本語版Windows10の快適な環境になった。Windowsのインストールやパーティションの操作に慣れているなら購入直後にクリーンインストールをしてしまってもいいかもしれない。

手頃な価格で十分なパフォーマンスと長く使える拡張性。「我慢しなくていいスティックPC」

 購入早々にWindows10のクリーンインストールを実行したが、その後はおかしな挙動もなく、使用中にクラッシュすることもなく快適に使えている。3万円を切る値段でこれだけ動いてくれれば文句はない。

 繰り返すが、フルHD環境でネットサーフィン、文書作成、動画配信サービスの利用に何の問題もなくサクサク動いてくれる(簡単な3Dのタワーディフェンスゲームもプレイしているがスムーズに遊べている)。

 動画編集などをしないのならばメインでも使えるし、メインPCが壊れたとき用のサブに置いておいても良さそうだ(バッテリーは付いていないので放置しても大丈夫)。子供の学習用パソコンにもピッタリだろう。ファンレスの無音駆動なので、テレビのそばに置いてメディアプレーヤーにするにも相性がいい。

コスパは抜群。HeroBoxは安心して使えるパソコンだ。

HeroBoxはスティックPCからの買い替えにぴったり
CHUWI HeroBoxは省エネ性能を気に入ってスティックPCを使っていた人の買い替え候補にピッタリなPCと言える。

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