骨伝導イヤホンのお試しに最適!GEO GRFD-BCH BH330
目次
室内での”ながら聴き”用ならこれで十分!
骨伝導イヤホン(ヘッドホン)とは
前から気になっていた骨伝導ワイヤレスイヤホン(GEOでは「ヘッドホン」表記)のお試しに、GEO(ゲオ)で販売されている「GRFD-BCH BH330」を購入した。
骨伝導イヤホンというのは、耳、鼓膜を介さずに骨を通して内耳(鼓膜の奥にある音を聴くための部位がある)に振動を送ることで脳に音を届ける方式のイヤホン。振動板をこめかみ付近に当てる形をとっているため、耳を塞がず、周囲の音も聞くことができるので音楽を聴きながら呼びかけられても反応することができたり、外耳炎を気にしなくて良いというメリットがある。反対に、音漏れのしやすさや一般的な「イヤホン」と比べ音質(特に低音)が劣る点がデメリットとされ、人によっては振動が痒く感じるなど使用感に個人差もある。
“静かな環境”での骨伝導イヤホンの実力を体験するのは難しい…。
GRFD-BCH BH330購入前に家電量販店の骨伝導イヤホンコーナーでいくつか試し聴きしてみたところ、定番のShokz(旧AfterShokz)の商品は他社製品と比べて抜きん出ている印象を受けた。約1万円のエントリーモデル OPENMOVEからして音に芯があるというか、店内放送が鳴り続けている中でもスマホの音量半分程度ではっきり聞こえて差が感じられた。その売場では安価な5,000円からのアンダー1万円クラスの他社製品では最大音量でやっと音がしっかりしてくるか、といった印象。低音が弱いのか、音に芯がない感じ。
性能差をはっきり感じてしまった、他社製の低価格帯の骨伝導イヤホンだが、試聴できた環境は人も多いざわざわとした店内であり、そもそもテストするにはいきなり酷な方の条件だった。自分が使う場合、主な使用環境は静かな「自室内」。聞く音の種類も「ポッドキャスト」で人の会話がメインになりそう(家事の最中に使うつもり)だ。結局のところ、どのクラスの商品から自分は満足できるのかは買ってみないとわからない。
というわけで、いきなり高価な商品を買う前に「骨伝導イヤホンを自分は気に入るのか」を知るために安価なものを一つ選ぶことにした。
家電量販店にある取り扱い商品から選ぶ手もあったが、コスパの高さで話題になっていたゲオの骨伝導イヤホンも気になっていた。話題になっていたころは充電端子がmicroUSBだったりと「確かに安いけど…」とモヤモヤする仕様だったが、ちょうど新商品が出ていて、今どきのUSB Type-C搭載に変わっていた。
GRFD-BCH BH330(2023年4月発売)はプレスリリースによればゲオ限定で販売されており、家電量販店には並んでいない。購入したお店では試聴機はなかったが、ダメ元で買えるお値段3,278円(購入時)。相変わらず安い。購入時のゲオの骨伝導イヤホンのラインナップは6機種。話題になった初号機(GRAMO-BCH01)から時間が経っている分フィードバックは得ているだろうし、安価なままでも性能の改善は進んでいるはず。
ダメ元で買えて、ちゃんと使えるゲオ限定の骨伝導イヤホン
GRFD-BCH BH330はカラバリが3種類あり、ブラック、ネイビー、レッドが用意されている。今回購入したのはネイビー。パッケージの表紙は横に開くようになっていて、中の商品の色味を確認できるようになっている。
パッケージ内容は骨伝導イヤホン本体、充電用USB Type-Cケーブル、耳栓、日本語の説明書。USB Type-Aの充電器は同梱されていないので、持っていない場合は別途用意する必要がある。
BH330の外観はシンプル。耳掛けの先にハウジングの四角いパーツが付いているだけで、いかにも「バッテリーです」「操作ボタン部分です」といったパーツが付いていないスッキリとしたデザインとなっている。ハウジングの表面はシースルー(透明度が高くなくおもちゃっぽさはなく上品)になっていて、中の基板がうっすら見えてなかなかカッコいい。裏面の振動板も平面で余計な装飾はない。見た目は結構気に入っている。
BH330は操作も簡単。タッチセンサーはなく、物理ボタンは右側のハウジングにある電源ON/OFFを兼ねたボタン1つのみ。長押しで電源ON/OFF、電源ONから押し続けるとBluetoothのペアリングモード、1回押しで音楽再生中の一時停止/再生、使用中にかかってきた電話に応答などの操作を行える。音量の上げ下げはイヤホン側に機能はなく、ペアリングした(スマホなど)端末側に任せている。覚える必要がある操作は少ない。
通話用のマイク、LEDランプ、充電用のUSB Type-Cポートも右側のハウジングに設けられている。
BH330のスペックはBluetooth 5.3、コーデックはSBC/AACに対応、IPX6の防水対応と、古く感じるところはなく、仕様上で古さを感じるところはない。
BH330をiPhoneに接続し、音楽を聴いてみたところ、騒々しい店内から静かな自室に環境が変わった影響はあるだろうが、十分しっかりとした音質に感じた。本体も26gと軽量なので装着感もそれほど気にならない。
もちろん、骨伝導イヤホンの弱点である低音に関しては弱さを感じるのだが、歌や、会話といった「人の声」部分は弱々しさを感じない。アクション映画のサウンドトラックのような迫力のある楽曲はちょっと物足りなく感じるものの、ポッドキャストを聴くには十分な音質に感じる。スマホの音量も最大にする必要はなく、半分程度でしっかりとした音になる。
Shokzと比べると、Shokzの方がよりイヤホンで聴く音に近いのだろうが、Shokzの1/3の値段だから1/3程度のクオリティか?というとそれよりはずっといい気がする。量販店の6,000円クラスの製品よりもいいかもしれない。
耳を塞がずに音が聴けるというのは、なるほど、快適に感じる。低音は少し犠牲にしつつも、ラジオやポッドキャストをしっかり楽しめるのは便利だ。
骨伝導イヤホンは(同じ値段ならイヤホン/ヘッドホンの方がいい音だろうし)どこまでも音質を求めて選ぶものではないと考えているが、約3,000円でこれならしばらくこれでいいな、となってしまった。しばらく使い続けてみるつもり。
以前、PHILIPSのBluetoothヘッドホン SHB4405がとても軽くて(90g)愛用していたのだけど、ずいぶん前にイヤーパッドが破れてしまった。後継機はなく、以来、代わりになるような超軽量ワイヤレスヘッドホンをずっと探している。もしかしたら骨伝導イヤホンが代わりになるのかもしれない。
購入前に試聴機を使える機会はなさそうだが、BH330はこの値段でちゃんと使えてしまうので、「いきなり高級機を買う前に骨伝導イヤホンがどんなものなのか使ってみたい」というときの入門機にピッタリだ。
お試しで買ってみて、骨伝導イヤホンは気に入ったが、一つ気になるのが、外に持ち歩く際にどうするのか?という点。使わないときは頭に付けたままにするのか、首にかけるのか(ハウジングが首に当たるのがちょっと気になる)。バンド部分がカチューシャより柔らかいのでカバンに無造作に入れるのもなんだか気を使いそう。骨伝導イヤホン用のケースも売られているみたいだけど結構嵩張りそうでどうしたものか。部屋の中で使わないときはS字フックに引っ掛けている。
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