Bluetoothワイヤレス版もシリーズ展開希望!Philips SHE9700BT
音は満足。使いやすさのアップデートに期待。
通勤など外出時に多用していた完全ワイヤレスイヤホンのag COTSUBU。またやってしまった。
初めてのBluetooth完全ワイヤレスイヤホンにピッタリ!ag COTSUBU
帰宅時にシャツの胸ポケットにCOTSUBUを入れたまま、うっかり洗濯機で洗ってしまったのだ。洗濯で水没させるのはこれで2回目。またメーカーに片耳購入(新品との有料交換)を申請するのも気が引ける(それ以前にも掃除中にフィルターを動かしてしまって1度交換してもらっている)。
本体の小ささや使いやすさが気に入っていたので、COTSUBUを買い直そうとも思ったのだが、「二度あることは三度ある」という言葉が脳裏をよぎる。2度も水没させてしまったのだから自分でも自信がない…。
というわけでしばらくTWSは控えて、一旦ネックバンドスタイル(左右一体型)のイヤホンを使ってみることにした。※
※他社製TWSイヤホンも検討したものの、指がカサカサしてるのか滑って、「ケースからイヤホンを取り出しにくい」ものが多かったのも理由の一つ。
スペック的にはiPhoneを使っているので「AACに対応していればいいや」くらいの基準で、デザインでPhilips(フィリップス)のSHE9700BTを選んだ。「9700」という型番は特別な番号らしく、「97(キューナナ)」と呼ばれて親しまれた、Philipsの過去のベストセラー有線イヤホンをBluetoothワイヤレスイヤホンとして復活させたモデルらしい。悪いものではないだろう。
無くしようがないデザイン。ネックバンドスタイルもアリ。
SHE9700BTのスペックを一部抜粋すると以下の通り。
再生時間 | 22時間 |
通話時間 | 15時間 |
待機時間 | 120時間 |
充電時間 | 2時間 |
Bluetoothバージョン | 5.2 |
対応コーデック | SBC、AAC |
充電用ポート | USB Type-C |
SHE9700BTのパッケージ内容はイヤホン本体、充電用USB Type-Cケーブル、説明書、交換用イヤーピース4サイズ(本体取り付け済みのMサイズを含めて全5サイズ)。USB充電器は付属しない。
説明書(クイックスタートガイド)は文章ではなく、イラストで使い方を伝えるユニークなものとなっている。わかりづらくはないけれど、「文章の方が早く入ってくるな」とも思う。
テキストメインの取り扱い説明書はPhilipsの公式ページからPDFをダウンロードできる。
購入から使い始めの操作方法は以下の通り。
電源ON | リモコンの電源ボタンを2秒長押し |
電源OFF | リモコンの電源ボタンを4秒長押し |
Bluetoothペアリングモード | (電源の入っていない状態から)リモコンの電源ボタンを5秒間長押し |
イヤホンのリモコンは右耳側に、バッテリーは左耳側についている。首にかけて使うときは、それぞれ首のちょっと前に寝る形で置かれるため、イヤーピースが引っ張られずに音楽を聴くことができる。
SHE9700BTのハウジング部分のデザインは個人的にはカッコよく思う。質感がマットなのも気に入っている。外側にはマグネットが付いていて、一時的に耳から外すときや収納時にはくっつけられて便利。
リモコン部分もマットな質感で統一されている。見た目もフラットデザイン風で好印象(それぞれのボタンが深めに縁取りされているのはあまり好きではない)。
デザイン買いしたので見た目の面で不満はなし。完全ワイヤレスイヤホンよりは当然嵩張るが、シャツの胸ポケットに気軽に入る大きさでないので無くすこともないし、ましてや洗濯してしまうこともない。今回はここが重要。
概ね満足。使い勝手の点では気になるところも…
最初に充電を完了して早速iPhoneとペアリングして音楽を聴いてみると、曲によっては「あれ、後ろでこんな音鳴ってたっけ?」とag COTSUBUで聴いていたときには隠れ気味だった(?)音が一歩前に出てくる印象があって、違いが感じられて面白かった。
個人的にはイヤホン/ヘッドホンの音質の差はそれそのものの性能というより、楽曲データによる差が大きいのではないかと思っているが、SHE9700BTは特別高音、低音どちらかに偏っている印象はなく、歌、サントラ、ポッドキャスト、何を聴いても違和感を感じることなく気持ちよく聴こえる。
左右がケーブルで繋がっているため、付けたまま動くとケーブルに物が当たったときの音や、風切り音のような音は聴こえてくるが、それでも有線イヤホンのときよりはケーブルの動きが少ないのか、意外と気にならない(ただしマスクをしていたり、ショルダーバッグを肩にかけているときはちょっと煩わしく感じる)。
ネックバンド型は完全ワイヤレスイヤホンと違い、バッテリーが大きいため連続使用時間が長い。SHE9700BTの音楽再生時間は22時間。毎日の通勤時間に使うくらいなら充電1回で1週間はもつ。
SHE9700BTを数日使って、音質には満足し、充電頻度の少なさなどネックバンド型のメリットも感じているが、いくつか気になるところもある。
1つ目はリモコン部分にある充電口のカバーが開けづらいところ。大抵この部分は爪を引っ掛けやすいようにわざと一部に隙間があったりするものだが、SHE9700BTの場合は引っ掛け部分がなく、充電口カバーが隙間なくピッタリ閉じられてしまう。カバーの素材そのものは柔らかいので、カバーとリモコン本体の間に爪を強く挿し込むことで開けることはできるのだが、スマートではない。
2つ目はケーブルの癖がなかなか取れないこと。購入後数日たってもメーカーの製品写真のようにはきれいにまっすぐにならない。フックに引っ掛けてぶら下げてもイヤホン自体が軽いのでまっすぐになる気配はない。フラットケーブルだとねじれの向きが1つに絞られるかもしれないが…。
あと、これは不満というより「個人差が出た」とすべき点だが、イヤーピースの装着感が良くなかった。もちろん、SHE9700BTのイヤーピースそのままでも使えるという人もいるはず。自分の場合は同梱のイヤーピースをワンサイズ小さく、ワンサイズ大きくしても収まりが悪く、付けたままちょっと動くとすぐに耳からこぼれてしまう(イヤーピースが耳穴にはまるというより”乗っているだけ”という感じ)。
これまでいくつか有線、左右一体型、完全ワイヤレスイヤホンを使ってきたけれど、イヤーピースを交換しないと外に持ち出せない状態のイヤホンは今回が初めてだった。
SHE9700BTに他社製イヤーピースを試してみたところ、final Eタイプ、ソニー EX11、JVC EP-FX2Mなどを取り付けることができた。試した中ではソニー EX11と、オーディオテクニカのER-CKM55が耳によくフィットしてこぼれ落ちる心配がなくなった。ER-CKM55にはスケルトンホワイト(半透明)が用意されていて、こちらは汚れが目立たないので今はER-CKM55で落ち着いている。SHE9700BTを買って、耳に合わなかった場合は、すぐに諦めずにイヤーピースの交換を試してみるのをおすすめしたい。
と、SHE9700BTを使った感想は「音はよし、デザインもよし、だけど使い勝手の面でアップデートして欲しいところはある」となるが、コスパを考えると満足している。
有線イヤホンの9700にはその後も9710、9720…とバリエーションがあったようだ。ワイヤレス版もフラットケーブルの採用、充電口カバーが開けやすくなったアップデート版(9710BTとか?)が出てほしい。買い増しするので。